debian9へのアップグレード方法
2017年 6 月 17 日にDebian 9「stretch」がリリースしました。
今回は実際に運用していたdebian8をdebian9へアップグレード出来たので、アップグレード方法を紹介したいと思います。
手順は次のようになります。
- バックアップを取る
- サービス及び自動実行スクリプトの停止
- パッケージをすべて最新にする
- ソースリストの書き換え
- 更新作業
- サービス及び自動実行スクリプトの開始
1.バックアップを取る
まずは、必ずバックアップを取ってください。これは、更新が失敗したときの最後の切り札となります。これだけあれば、再インストールしても、元の状態に戻れるぐらいのレベルで行ってください。
2.サービス及び自動実行スクリプトの停止
これは、自分で構築して起動中である、SQLやApache、ゲームサーバなどを指します。更新中もこれらはサービスとして動きつつけるため、多くのパッケージが書き換わる更新中は停止しましょう。停止の仕方は、サービスであれば、
sudo servise [サービス名] stop
で停止できます。自動実行スクリプトとは主にcrontabによって起動するスクリプトを指します。これらに登録されていて、更新中に必要でない作業であれば、#を先頭に書き込んでコメントアウトしておきましょう。
例
00 05 * * * /sbin/hwclock -w #(変更前) #00 05 * * * /sbin/hwclock -w #(変更後)
3.パッケージをすべて最新にする
更新をする前にすべての更新を終わらせましょう。以下のコマンドを実行しましょう。
sudo apt-get update sudo apt-get upgrade sudo apt-get upgrade
おそらく3回目ですべてのパッケージが更新されると思います。更新できるパッケージがなくなるまで
sudo apt-get upgrade
をしましょう。
4.ソースリストの書き換え
ソースリストとは、"/etc/apt/sources.list"のことです。ここに、debianのパッケージのダウンロードサーバーが記入されています。
まずは、ソースリストをバックアップしましょう。バックアップは
sudo cp /etc/apt/sources.list /etc/apt/sources.list.Backup
でとれます。
復元する際は
sudo cp /etc/apt/sources.list.Backup /etc/apt/sources.list
となります。バックアップが終われば、ソースリストの書き換えを行います。以下のソースリストを例にします。
#変更前の"/etc/apt/sources.list" # セキュリティ更新 deb http://security.debian.org/ jessie/updates main contrib non-free deb-src http://security.debian.org/ jessie/updates main contrib non-free ## Debian アーカイブミラー # ベースリポジトリ deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ jessie main contrib non-free deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ jessie main contrib non-free # 安定版更新 deb http://ftp.jp.debian.org/debian jessie-updates main contrib non-free deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian jessie-updates main contrib non-free # 安定版バックポート deb http://ftp.debian.org/debian jessie-backports main contrib non-free deb-src http://ftp.debian.org/debian jessie-backports main contrib non-free
この"jessie"をすべて、"stretch"に書き換えます。
#変更後の"/etc/apt/sources.list" # セキュリティ更新 deb http://security.debian.org/ stretch/updates main contrib non-free deb-src http://security.debian.org/ stretch/updates main contrib non-free ## Debian アーカイブミラー # ベースリポジトリ deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ stretch main contrib non-free deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ stretch main contrib non-free # 安定版更新 deb http://ftp.jp.debian.org/debian stretch-updates main contrib non-free deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian stretch-updates main contrib non-free # 安定版バックポート deb http://ftp.debian.org/debian stretch-backports main contrib non-free deb-src http://ftp.debian.org/debian stretch-backports main contrib non-free
これで更新の準備が完了しました。この書き込みにはテキストエディターのvimなりnanoなり海苔なりを使ってください。
※海苔というエディターはありません
5.更新作業
上記の手順で更新の準備が完了したので、実際に更新を行います。ちゃんとバックアップはしましたか?では始めましょう。
以下の順番でコマンドを実行しましょう。
sudo apt-get update sudo apt-get upgrade sudo apt-get upgrade sudo apt-get dist-upgrade sudo reboot sudo apt-get autoremove
2.3.4は実際にパッケージを更新するため、設定ファイルを更新するかどうかを聞いてきます。基本はEnter(現在の設定ファイルを保持)でいいですが、過去に弄って失敗した設定ファイルであれば、初期化してもいいでしょう。
更新が終われば、再起動をするため5を実行してください。その後正常に起動すれば、6を実行し、いらなくなったパッケージを削除しておきましょう。
6.サービス及び自動実行スクリプトの開始
サービスは殆どの場合、再起動をした時点で起動しているはずです。自身でcrontabの内容をコメントアウトした場合はもとに戻しましょう。
以上がdebian8からdebian9へのアップグレード方法でした。
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